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自作小説うpろうと思ったが、相棒が書いた分が無くなっていることに気が付いた

まぁいいや

一応今のところ3話まであるけど、2話目が消えたので1話だけ
一応リレー小説と言うことが前提なので、暇だったら続きを書いて俺に下さい。続けますから

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『progress neat・neat』 第一話

 朝日が俺の顔を照らし、瞼を打たれる感覚で目が覚めた。目の前で麗しき女性が微笑む。
「おはよう、あなた」
その淡麗な容姿には今日もどきまぎされてしまうが、日本男子たるものそれを悟られてはいけない。俺はまるで珍しい空き缶でも見る程度のそぶりをしながら「おはよう」と返した。
彼女は立ち上がり様にまた微笑む、先程とは違う意味を含めた笑みだった。まさか悟られたのだろうか?人を魅了させる事と神秘めいた部分に置いては完全に彼女が上である。彼女は台所に立ち、料理を再開する。軽快な包丁の音が手際の良さを表している。
健気に働く女の背中はすばらしい。特に尻とか。パジャマのゆったりした素材が、そのシタイの輪郭をハッキリと映す。ほどよく肉の付きながらもスラッと延びた足、コンプレックスだと言う小さな胸は僕の好きな部位のひとつだった。
「やっ、やめてくださいよぉ」
俺の視線に気付いた彼女が顔を赤らめながら嫌がるそぶりをする。だが俺はニヤニヤしながらその目線を背ける事はない。
「もー、そんな事ばかりしてるとご飯作りませんよ」
頬を膨らませながら怒る。
「ゴメンゴメン」
こうして程よいところでやめたりやめなかったりするのがこのメルティライフを長く続けるコツだ。
電子音がして彼女が御飯を持ってくる。
「御飯出来ましたよー」
「じゃあ朝飯にするか」
俺はのっそり立ち上がり、冷蔵庫からモノを取りだし準備する。
「はい、あなた」
「おう」
彼女が手渡してくれたホカホカのそれは、コンビニ弁当だった。
「……」
「どうかしました?」
どうする筈も無いじゃないか。
「ははは、なんでも無いよハニー。いただきまーす!」
俺が飯を掻き込む様に食う様を彼女は微笑みながら見ている。笑顔を絶やさぬ女なのだ。
「なんだよ」
「いーえ、なんでもありませんよ。あっ、御飯粒が」
「えっ?どこ?」
俺の顔に手を近付ける。
「あれ?あれ?」
だが、彼女は何度やっても米粒を取ることができなかった。
「無器用だなぁ」
「むぅ……難しいですね」
当然と言えば当然だが。
諦めて自分で米粒をとり、それを彼女に食べさせようとした。
「やめてくださいよぉ」
「ほーれほれ、程よく塩味が効いて美味いぞぉ」
「やめてくださいよぉ、じゃないと、虚しくなるだけですよ」
「……」
「どうしました?」
「いや、なんでもない」
その後は、いつも通りのキャッキャウフフなイベント以外、特に何も起こらず、俺は朝食を食べ終えた。
「ごちそうさま」
「おそまつさまです」
二人手を合わせて食事挨拶をし、食事の片付けをする。それは俺の仕事だった。なんでもかんでも彼女任せと言うわけにはいかない。これがメルティライフを続けるコツでもある。
片付けも終え一息付くと、財布を持って立ち上がった。
「どこ行くんですか?」
「ちょっとコンビニまで」
「じゃあ私も……」
「いや、今日はいい」
「?わかりました」
首を傾げながらも了承してくれた。聞き別けがいいのだ。
「じゃあいってきます」
「はい、いってらっしゃい」
彼女の振る手を惜しみながら戸を閉め、取られるものも無いがしっかりと施錠をしてから家を後にした。


 高い空を見上げる。既に日は高く登り、辺りは少し閑散としていた。
当たり前だ、平日の昼なんだから。
ふと、景色が滲む。心に暗雲が刺し込むのを感じた俺はそれを打ち消そうと目を擦るが、頬を伝うものを止める事は出来なかった。
こうなると止まらない。薄弱な不安が胸を締め付け、先の見えない将来が姿を表す。
「うごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」
俺は悶え苦しんでいた。まわりの主婦がビビり、親に手を引かれる子供が指を指し、凝視していたぬこは危険を察し走り出した。
限界だった。自分をごまかし続ける事さえ。
それは彼女、というか「脳内嫁」の奇異な行動からも解る。設定矛盾、回避しきれない綻び。自分でも不思議でしょうがないのだ、どうすれば台所仕事でプラスチック容器に入ったコンビニ弁当が出てくるのかと。何がメルティライフだ、溶けているのは自分の脳ではないのかと。
仕事を辞めてニートになってから既に二年目の夏。もっと酷い奴もいるだろうが、既に俺は限界を突破していた一日中何もしないなんて気楽で良いなんて思ったのは三日までだった。一日一日をホームランでドブに捨てる感覚は我が身を削るのに相当する。限られた自らの生の時間をまるで作りすぎたキャベツを処分する様に過ごすのはあまりにも申し訳無い。お父さん、お母さん、本当に申し訳ございません。でも今更実家に戻るのは恥ずかしくて死んでしまいそうです。
考えると止まらなくなるのはある意味自覚が無いよりましだが、頭がワーッとなる感覚は勘弁していただきたい。まるで体に刃物を入れた様に頭が焼ける感覚は、慣れる事がない。慣れたら困るが。この時点で既に板挟みである。
今だってコンビニに行くのはタウンワークを取りに行く為であるが、毎週取りにまでは行くが開く事は少ない。毎週読まずに棄てるのが常である。サラリーマン時代、俺は業界ではちょっと名の知れた会社にいた。辞めたのは自分の意思であるが、それでもそこに居たというプライドが入り込み、なかなか就職が決まらないのである。今すぐその豚の様なプライド等棄てるべきである。出来ないけど。

一頻りもがき、やがてムックリ起き上がる。こうしても気が紛れる事も事態が好転する事も無いからだ。最後の理性がそう言っている。
理屈ではわかっているが体はなかなか言い分けを聞かず、俺はおぼつかない足取りでフラフラ歩いていると、小石に蹴つまずいて頭から転倒した。
死にたい気分である。こんな風に地ベタにべばりつくのがやけに気持ちがいいのは、今ちょうど俺の位置がここだからだろう。もしくは地球のでかさを肌で感じるからかも知れない、コンクリートの固さが程よく気持ち良い、真夏の天日のおかげで鉄板の様な熱さだけど、周りの冷ややかな目線がちょうど良い具合いにしてくれる。屁理屈だけど。

「うぅ……いったーい……」
と、突然後ろから女性のうめき声が聞こえた。見ればそこにはどこかで見覚えのある女性が尻餅をついていた。
っていうか、俺の嫁じゃん。もちろん脳内の。
俺の視線に気付いた彼女はこちらを確認すると、「あ~!!」とこちらを指差した。突然の事に動けず、寝転んだまま呆然する俺に近付いてくる。
「この不男!」
腹に蹴りを入れられた。
「変態!恥じ知らず!ニート!派遣社員!ロリコン!」
一言事に蹴りを入れられる。それは確実に俺の体と心を痛めつけて言った。
「電磁波倶楽部!甲斐性無し!えーっとそれから……特に無し!」
ネタもつまり俺が胃から朝食を出しそうな頃、ようやく腹への執拗な攻撃を辞めた彼女は頭を踏みねじり言葉を続けた。
「ふぅ……ようやく言えた……」
彼女はため息を付き、ようやく辺りの惨状に気付いた。
俺の頭を中心に血の海が拡がっている。
「え?ちょっと何?私のせい?!」
うろたえる彼女の姿を見ながら、俺の意識はフェードアウトしていった。

 

 大事にいたらなかったわけが無い、しかしとりあえず頭の傷には綿を詰めて応急処置をした。とこいつは言うが、こちらはあいかわらず頭痛が酷い。
急いで病院に行くべきだが、ニートなので金も無いし、そもそも保険に入って無い。ニートは怪我すら出来ないのだ。
「ふん、良い気味だわ」
女は鼻を鳴らす。罪悪感はあるのか、一応俺に肩を貸してくれているが、如何せん華奢な体の為完全には支えきれず、足元がおぼつかずヒョッコヒョッコと不格好に歩く。
と、遂には二人してバランスを崩し、二人して地面に頭を打った。
「何すんじゃワレー!」
おおよそその容姿からは想像もつかない言葉を発し、起き上がり様にビンタをしてくる。
「何すんだテメーッ!」
「上等じゃない!」
二人していがみ合う。
「第一お前はなんなんだよ。いきなり現れて蹴りをかましやがって……この体の状態はお前のせいなんだからな」
「なら説明してあげるわ、とは言っても私も全て理解してるわけじゃないんだけど」
一度間を開け息をつく。
「私はね、アンタ曰く脳内嫁よ」
「……」
「なっ、何よその目は!?」
彼女を凝視する。確かに彼女の言う通り、その淡麗な姿は同棲を初めて早一年半の嫁である。脳内限定の。毎日むさぼっている体である、どう見間違おうか。
すると、嫁は俺の目を潰しにきた。左右のがんかに薬指と人指し指がそれぞれ入り、俺は目を押さえて悶絶した。
「そのナメクジが這うような目やめい!」
「ふざけるな!お前は俺の嫁なんだろ?別に良いじゃないか!」
「籍を入れるのと愛玩物とは違う!アレのどがお嫁さんよ!程の良い性奴隷じゃない!」
少し、痛い所を突かれる。
「うううウルサイ!俺の脳内で何がどう繰り広げられようと勝手だろう!」
「おかげでこっちは良い迷惑よ!こっちはトラウマが広辞苑並に出来たんだからね!ウッ……古傷が……」
「……まぁアナルにあんなものやこんなものを詰めるのは人としてどうかなとは思ったけど」
「わかってんなら止めなさい!そしてその事次言ったら喉に指突っ込んで吐くからね!」
「安心しろ、俺の嫁は排泄行為は実装されてない。プレイ以外では」
エロエロエロ。
「オォォイ!何してんだぁぁぁぁぁ!」
「うわぁあああ!死んでやる!死んでやるぅ!」
「泣きたいのは俺の方だ!俺のイメージを崩すなぁ!!」
二人して泣き喚きながら家路についた。

 彼女はスンスン泣きながら俺の肩を掴む。鼻孔にスッパイ臭いがツンとついたがとりあえず気にしない。
「そう言えば前から聞きたかった事があるの」
鼻をすすりながら聞いてくる。
「いっつも私の事、『嫁』とか『お前』とか『雌豚』としか呼ばなかったけど、名前はあるの?」
ずいぶんおかしな事を聞いてくると思ったが、気にせず「特に無いけど」と答えた。
「ハァ?なんで無いのよ?!」
「だって二人しか居ないのにいちいち名前で呼んでもよ」
鍵を探しながら答える。
「駄目じゃない!そんな犬猫を拾う様な感覚で同棲したら!」
あれ?どこ行った家の鍵?
「じゃあ脳太郎」
「はぁ?」
「脳がカチ割れて産まれたから脳太郎、うってつけじゃないか」
「何よそのやっつけネーム!わたしゃイマジンか!そもそも私は女の子よ!」
「じゃあカチ割り姫」
彼女が頭をかきむしるがとりあえず今は鍵が先である。あれ?おかしいな、鍵が見当たらない……。まさか落とした?あの騒動だ、有り得なくも無い。けど落とした場所は見当も着かない。地面はいつくばって探すも、その前に警察に職務質問されそうだ。大家に頼むも、あの白い目で見られるのは勘弁していただきたい。どうしよう……。
俺も頭を抱え出すと、部屋の鍵が中から外れる音がした。オマケにひとりでに開き、中から一人の女性が顔を覗かせた。
「どうかしましたか?」
思わず隣で頭をかきむしっていた女と目を合わせる。
顔を覗かせたのも、また脳内嫁だった。

 

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